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(2013/12/01)
多くの人にとって、貰っている月給や月々のお小遣いの額ならば、実感からも良く分かる。ところが、お金の単位が大きくなったりすると、途端に分かりにくくなる。例えば自分の会社の年間の売上高は知っていても、国としての日本の一年間の所得に相当するGDP(国内総生産)の金額を即答できるかどうかはあやしい。ビジネスマンならば、約500兆円と答えてほしいし、経済成長率がどのようになっているかもすぐ計算できることが望ましい。年間にGDP が10兆円増えれば、経済成長率は、増えた分の10割る500、掛ける100 ということで、2%ということに相成る。2%という数字は、日本が持ち合わせている経済成長の潜在力とも言われている。GDPの構成比も知っていれば、GDPの中で、個人消費や公共投資がどの位で、もし消費税が1%上がったらどのようなことになるかまでおおよそは分かる。すると、新聞やウェブ情報の理解度も増すので、基準となるお金の単位と計算方法などを知っておくと便利である。
今回は、10円と1万円についての話を書く。昔、ある民放のラジオ番組を聴いていた時のことである。どのような話の流れでの発言だったかは忘れてしまったが、電話に出たゲストの言葉は、今でもしっかり覚えている。女性ゲストの発言は大変印象深いものであった。
「10円玉が一個あれば、公衆電話で、相手の男性に対して、
『わたし、もうあなたとは別れます』、と言えるでしょ」
こんなドキッとする発言をする人は鋭い人だな、と思った。この女性は、ラジオの台本やテレビドラマの脚本家として活躍していたが、その後本格的に作家の道に入り、評判を呼ぶ文章を多数ものにし始めた。間もなく直木賞を受賞したのも当然だった。しかし、大変惜しいことに、台湾への取材旅行中に航空機事故で亡くなった。その人の名を向田邦子といった。「向田邦子は突然あらわれてそれなのにすでに名人である」と名言を吐いたのは、口のうるささで知られる随筆家山本夏彦であった。私にとっては、10円と向田邦子がいまだにセットになっている。
もう一つの1万円であるが、これは私が社会人になった時の上司からの助言だった。「仕事をする上では、多くの人と接するのだから、食事代位負担できる金額をいつも持っているようにしなさい」とのことだった。学生時代ならば、自分の使うお金だけ持っていればよかったので、相手の分まで持つという考えは持ち合わせていなかった。仕事は相手のあることでもあり、飲食によるコミュニケーションは重要である。よって、必要な範囲での接待費が社会的にも認められている。どのような状況で、どの程度の金額ならば社会的な許容範囲なのかは、裁判例が示しているので参考にすればよい。1万円も10円もそれぞれの金額で、それぞれの意味を持っている。
私の古くからの仲間の勉強会の名称は「那由他会」といい、40年以上も継続している異業種交流の集まりである。20代からの付き合いなので、それぞれの「私の履歴書」である人生史をお互いに見てきたことになる。因みに、那由他という言葉は無限大などと同様に、大きな数字の単位を意味する。懐具合はさておき、気持ちだけでも大きくありたいものである。
(金安岩男 慶應義塾大学名誉教授)
いつご来店頂いても、心地よくお過ごし頂ける様ヘアサロン大野グループでは10のお約束を実施しております。大野がご用意させて頂く非日常のプライベートルームでどうぞゆったりとお寛ぎ下さい。