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世の中は解釈次第ということがよくある。また解釈の違いが問題を大きくしてしまうことも、日常生活でまま見られる。例えば、五人の子供たちに、スイカを等分に切り分けたつもりでも、個々の子供にとってみれば、他の子供のスイカの方が大きく見えることはよくあることだ。幅のある解釈のことをどのように考えたらよいだろうか。
コップ半分の水の解釈の仕方に二通りあり、もう半分しかないとみるか、まだ半分あるとみるか、の違いは有名な話である。コップ半分の水である事実は何ら変わらないので、受け取る側の受け取り方によるというわけである。同様の話として、マーケティングの教科書に、裸足が一般的な土地に市場調査に行った時の報告例がよく紹介されている。報告1「現地は全員裸足。よって、靴を売る需要は無し」、報告2「現地は全員裸足。よって、靴を売る需要は莫大」。要は、考え方と工夫・努力次第ということなのだろうか。
教育現場をみると、学校内での生徒同士のトラブルは、法律的な解釈と教育的解釈がなされる場合がある。明らかに法律違反であっても、将来のある子供たちに対して、教育的見地から法的判断を少し緩めて、教育的処置を適用しようとするものである。社員教育でも、叱り飛ばして谷底に落とす指導方法もあれば、褒めておだてる励まし型の指導方法もある。組織の雰囲気、人間関係などが関わるので、どちらが良いとは一概に言えない。頃合いの状況を探り出すしかない。
文学作品などは、その解釈が大きく異なることがあると、かつての同僚から教わったことがある。次の松尾芭蕉の俳句などはどのように解釈できるであろうか。
暑き日を海に入れたり最上川 松尾芭蕉
解釈1 暑き太陽が日本海にじゅっと入ったのを最上川から眺めている。
解釈2 今日一日は暑き日で、そんな暑さを最上川が日本海に注ぎ込む。
俳句は十七音の短詩表現なので、省略部分があり解釈も難しくなる。難しさと同時に、俳句の妙味でもある。同じ言葉でも複数の意味があるので、解釈には、何に着目し、どのような関係を見出し、どの意味を採用し、何を物差し(評価基準)にして捉えるかが鍵になる。自然、人間、社会、技術、宗教などに対しての理解や解釈は、人それぞれ異なる。理解や解釈を成立させている仕組みを把握することが肝要である。
解釈の違いは、得てして紛争の原因になるが、多様な可能性をも示しているようであり興味深い。どうせ一度の人生ならば、能天気と言われようが、何と言われようが、すべて前向きにとらえた方(プラス志向の解釈)が得のような気がするがいかがだろうか。
(金安岩男 慶應義塾大学名誉教授)
