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私たちは、思い込みなどで誤解をしていることがしばしばある。例えば、江戸時代は男性が強かったので、夫から妻に対して、一方的に離縁状が出せるように思われがちである。ところが、事情はどうも異なるようである。
江戸時代の離縁状は、俗に「三くだり半」と呼ばれている。下記のように三行半で書かれているものが多いからである。例文は、読み易くするために、読み下し文にしてみた。
一札之事
一、 右は我等女房なみ
此度離別つかまつりたく
以後何方へ縁付き候とも
構へこれ無く候 以上
年号月日 藤五郎(印)
なみとの
「三くだり半」の呼名は、離別状・離縁状・去状・暇状などいくつかある。そして、その意味するところは、前半部分が離婚することを明示した離婚証明書に相当し、後半部分が他の人間と再婚しても問題ないとする再婚許可証となっている。よって、「返り一札」とも言われるように、再婚の際の証明書の機能がある。以上の説明と「一札之事」の離縁状のひな形は、法制史の研究者で離縁状に関する著作の多い高木侃教授の著作を参考にした。
「三くだり半」に関して一般の人が持つ考え方のように、ある解釈や理解にとらわれがちである。「○○はかくあるべし」と枠をはめがちであるが、「本当にそうか」、とゼロベースで虚心坦懐に考え直すことも大切である。例えば、東京都知事が飛行機のファーストクラスを利用することの是非、公用車利用の是非、などが論議の的になるのも、公共機関が税金を原資にしていることと関係が深い。公務とは何ぞや、ともう一度考え直すことが必要だ。
会議の進め方についても、少しばかり考え直しても良いかもしれない。会議の手続きにのっとり、「これで決定とします」で終了した後になってから、「本当にそれでいいんですか?」と混ぜ返す人が組織にはいるものである。最初は、決着がついているのに、なぜ混ぜ返すのだろう、と不思議に思ったものである。ところが、会議の流れで決定してしまうと、本当にそれでよかったのかどうか、反省することも生じる。だから、「ちょっと待った」と待ったをかける役割も大事なのだと最近は考えるようになった。「思い込み」から自由になることは結構むずかしいのである。
(金安岩男 慶應義塾大学名誉教授)
