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太陽は東から昇り西に沈む。私たち人間は、朝起きて、日中働き、夜は寝る。自然現象も人間活動も毎日のことで何も不思議なことではないが、よくよく考えてみると、私たちがこの地球上で毎日呼吸ができ、百年近く生きられることが何とも不思議に思えてくる。私たちの社会的な活動の前提条件、与件、環境ともなる地球の基礎知識は、どの分野にとっても役立つ。
地球科学の研究者の知識を拝借すると、地球の誕生とその内部構造は、概ね次の通りである。
・地球は太陽系の惑星であり、ガスや微粒子(酸化物や金属等)などが集まり、約46億年前にできた
・核が形成され、そこに隕石などが当り、高温のマグマでできた海(マグマオーシャン)が次第に固まった
・地球内部は、その中心部から核、液体のマントル、固体の地殻(プレート)などから構成される
そして、地球表層は次の特徴を持つ。
・表層の平均気温は約15℃で、大気は窒素78%、酸素21% 、二酸化炭素0.03%からなる
・隕石孔(クレータ)は金星などと比べると少なく、126個しかない
・プレート運動による地殻変動があり、地震の発生につながる
・地表の七割が水で覆われており、水の存在は生命体にとって必須である
・生命が発生し、進化している
以上の地球に関する基礎的な科学的知見はどのようにして得られたのであろうか。1970年代に確立した「プレートテクトニクス理論」が大きく貢献している。その説明によれば、地球表面にある板状の物質(プレート)の流れ、巨大なきのこ状の物質(マントル)の流れ、そして核の運動システムから、地球は形成されているのである。
プレートテクトニクス理論は、20世紀初頭の「大陸移動説」(ドイツの気象学者アルフレッド・ウェーゲナー)、1960年代初頭のイギリスの古地磁気研究グループ、海洋底の地磁気異常の縞模様の研究などからのデータ蓄積、そして、「ホットスポット」(トロント大学ツゾー・ウィルソン)も加わり、1970年代半ばに完成されたとされる。それほど大昔のことというわけではない。地球表層が十数枚のプレートからなり、それらの動きから地震が発生しているとの考えは、発表当時は驚きだったことだろう。これらの考え方により、大陸の衝突や分裂、海洋の発生や消滅など、地球表層の構造と運動に関しての統一的な説明が出来るようになったことが大切である。
さらには、各種技術の発達による貢献がある。各大陸が元来は一つだったパンゲア大陸が分離してできたことも、化石の存在から年代測定で確認できる。人体をCTスキャンするように、地震波トモグラフィーの技術により、地球を計測し、その計測データが蓄積されたことも大きい。地球に関しての大胆な仮説の提示、計測技術の向上、データの蓄積、分析検証能力などが、うまく機能している所に、これまで関わってきた地球科学関係の科学者たちの尽力がある。
もう遅かりしのことではあるが、高校時代に地学の授業科目を選択して、もっと勉強しておけばよかったなと今にして思う。今回は、地球科学の研究者の方々の知見を参考に、地球の誕生とその説明に関する紹介記事を書いてみた。
(金安岩男 慶應義塾大学名誉教授)
