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日本側関係者は、日本の首相に対して、事前に入れ知恵をした。
「大統領にお会いしたら、<ハウ・アー・ユー>と言ってください。すると大統領が、<ファイン・サンキュウ&ユー>と答えますから、首相は<ミー・トゥー>と言ってください。あとは通訳がすべてやります」
当日のやり取りは、どうであったのか。首相は、うっかり「あなたは誰<フー・アー・ユー>?」と質問してしまった。大統領は、気をきかせて、「私はヒラリーの夫です」と答えた。すると、首相は「ミー・トゥー」とやってしまった、という小話。よくできた話である。
改めて、「私は誰?」ということを考えてみたくなる。昔は、会社にどっぷりの会社人間を称して、「自分ー会社=0」などと言われていた。「24時間働けますか?」などというCMもあったような気がする。定年退職などで、会社という名の組織を離れると、体にぽかんと穴が開いたようになることを暗示している。
会社勤めがなくなるということは、生産活動に直接は参加しないということである。しかし、消費者としては、何がしかの金銭を消費する。医療、娯楽、飲食、交通、等々いろいろな活動をするが、活動には支出が伴う。消費支出は、日本のGDPの6割を占める。私たち一人一人は消費活動をする人間だと言える。その他結構活動していることが想像できる。
頭の体操として、単純な問いかけをしてみたい。
「私は誰なのであろうか?」。
思いつくまま、以下に列挙してみる。
・人間という名の生物である。遺伝子を複製して、子孫を残す。
・住んでいる所で言えば、○○町内会の会員である。○○市民、○○県民、日本国民、そして世界民でもある。
・経済活動から見ると、生産者、消費者、納税者、年金取得者、そして公共サービスの享受者である。
・各種産業に従事する職業人である。
・家庭においては、生活費を稼ぎ、教育、医療、娯楽など、家庭を維持する家庭人である。
・信教の観点からは、寺社で手を合わせ、お賽銭を提供し、祈る人である。特定の宗教団体に所属する人もいる。
・公共施設の活動に対して、ささやかな寄付をする社会奉仕者である。
・医療サービスに関しては、保険の恩恵を受け、介護、支援の対象者である。
・諸活動の結果は、その良し悪しに関係なく、データとして収集され、さまざまに利活用されている。
その他、職人、趣味人、暇人など、「○○人」という言葉を並べれば、私たちが何者なのかを知る手掛かりになる。諸活動を通じて社会に存在し、多様な役割を果たしていることが分かる。つまり、誰もが社会的に価値ある存在なのである。
私たちは、自分自身の心技体を鍛え、よく食べ、よく眠り、歩き、読み、聞き、話し、その他の活動をするなど、やるべきことは多い。混んでいる電車内は、この種の頭の体操をするのに好都合な場所と時間を提供してくれる。
(金安岩男 慶應義塾大学名誉教授)
