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システムは、以前は「系」等と訳されたりもしたが、今日ではカタカナで「システム」と表現することが一般化している。システムの例を思いつくまま列挙してみると、身体システム(以下、システムを省略)、都市、政治、経済、文化、コンピュータ、交通、医療、教育、経営、情報等など際限がない。システムの考え方を理解すると、他分野の人たちとも会話がし易くなる。何にでも使えるシステムとは何なのか。大変便利でかつ重要な考え方なので、その基本についておさらいしておきたい。
このコラム欄は、理容業界を牽引するヘアサロン大野のウェブサイトに掲載されているので、理容店をシステムの例として考えてみよう。理容店に関係する事柄としては、店という施設、理容のための道具、理容師という名の専門家、利用客、サービス内容、料金、営業時間、経営方法、取引先などがすぐ頭に浮かぶ。その他として、理容に伴う衛生法などがあり、広くは社会システムの中で活動している。つまり、物理的でハードなもの、人や組織に関わるもの、サービスや経営などソフトなものが含まれている。より具体的には、理容技術の採用、ヘアトニック、シェービングクリーム、料金体系、店舗の立地展開、広告宣伝、従業員の教育、接客など、検討するべきことは沢山ある。これらは、一店舗ばかりか理容業界全体で努力すべきことでもある。
理容に限らず、システムは、1)システムを構成する要素の存在、2)要素間の関係、そして3)全体の目的という三つの事柄から成り立っている。すると、これらシステムを構成している三本柱に変更を加えることがシステムの変更になる。全体の目的を変える、要素の一部を変える、要素間の関係を変えることなどは、すべてシステム変更である。システムの基本的な考え方を把握すると、他のシステムの理解も容易になる。よって、仕事を進める上で、システムの考え方を習得することをお勧めしたい。経済状況、激しい競争環境、人々の嗜好の変化、経営や技術などが急激に変化する中で、どのようなシステム変更をしたら効果が上がるか。これを考えるのが経営者の手腕である。
昨年末に、白隠慧鶴(はくいんえかく)の禅画の展覧会を見に行く機会があった。白隠は江戸時代中期の臨済宗の僧で、沼津の松蔭寺住職であった。彼の掛け軸には、画と共に賛があり、魅力に富んだ絵と言葉が満載であった。例えば、止まっている状態ではなく、動いている状態における工夫が大切だとして、以下の掛け軸があった。
「動中工夫勝静中百千億倍」
これは、「動中の工夫は静中に勝ること百千億倍」と読み、動きの中で工夫することが止まった状況よりも、はるかに優っていることの意味である。
私たちは絶えず変化する環境の中に生き、変化する環境に適切に適応することが肝要であることを示唆している。環境適応システムの理解と的確な行動の指摘であり、私たちは動的システムの中で工夫の連続をしつつ、よりよい発展を目指す心掛けが大切である。
(金安岩男 慶應義塾大学名誉教授)
