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(2013/10/01)
日本のビジネス社会では、初対面の際の名刺交換は必須である。お互いに名刺を眺めて、相手がどのような組織のどのような人なのかを推測する。とくに名刺に記載されている肩書きを気にする人は多いようだ。かつて、テレビの人気長寿番組であった水戸黄門で、お決まりの最後の場面は、三つ葉葵の印籠を掲げた上で、「先の副将軍水戸光圀公にあらせられるぞ。皆の者、頭が高い。控えおろーーー。」のセリフ。しっかりと肩書きと権威のシンボルを示し、名乗った上で相手を威圧している。
大きな組織になると、個人名よりも職位名で呼んでいるところが多い。例えば、会長、社長、専務、部長、課長、係長などの職位名である。個人の特性よりも、組織の機能を優先しているからだ。逆に、職位名で呼ぶことを嫌って、職位にかかわらずに「○○さん」と呼ぶことを実施している会社もある。この呼び方は私の好みでもある。これからの時代を考えると、その人の担当分野や専門性を活かした名称を肩書きに付けるのも良いかもしれない。例えば、頭に担当分野を示し、その後に、営業家、技術家、企画家、総務家などというのもよいかもしれない(例、不動産営業家)。職位のフラット化とでも言えようか。
会社組織の現役の一員ならば、使い慣れた肩書きで良いかもしれないが、定年退職後の肩書きをどのようにしたらよいか迷うものである。有名人で、何も書かないという人もいれば、趣味の集まりの会の名称を使う人もいる。居直って、「無職」という文字を自分の名前の前に掲げた人もいる。人それぞれであるが、次のような肩書きは、すっきりしている。落語家、作家、音楽家、書道家、料理家、実業家などの、「○○家」。何となく一家をなしている印象だ。詩人、歌人、俳人などの「○○人」と称する文芸関係者は少し風流な感じがする。医師、庭師、理容師などの「○○師」は、特殊技能を持った人を指しているようだが、詐欺師のように、自分の能力を悪く発揮している職業人?もいる。資格ならば、気象予報士、公認会計士、弁護士などの「○○士」がある。家、人、師、士などは、組織を超えた呼称のような気がするので、使ってみたくなる肩書きである。もっとも、皮肉屋さんだったら、浪費家、暇人、詐欺師などの名称を列挙するかもしれない。パソコンで簡単に名刺を印刷できる時代なので、気分次第で個人仕様の肩書きを開発すればよいし、なるべくならば前向きの名称がよいと思う。
官庁だと、外交官、教官、事務官、技官などの「官」が職名として使われる。よって、同じ大学教師でも定年退職する際には、国立大学教官は「退官」であり、私立大学教員は「退職」となる。かつて中国の地理教科書に、私の論文が紹介されたことがあった。その際は、日本の「地理家」と形容されていたから、私も、「地理家 金安岩男」と名乗ることができる。もっとも、現在は「家政学の大家」を目指して日々修行しているので、近い将来は「家政家」と名乗っているかもしれない。
(金安岩男 慶應義塾大学名誉教授)
