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Men’s Life Style
金安 岩男

著者:金安 岩男
1947年2月に東京の下町に生まれる。
学部で経済学、大学院で地理学を学び、外資系情報企業、国立大学、私立大学での勤務経験を有し、研究、教育、研修などの各種プロジェクトを実施。地理学者として、計画実践、プロジェクト発想に取り組んでいる。海外諸都市の街歩き、相撲などを趣味に、発想のヒントをいつも探究中。社会的活動として、政府機関、地方自治体の各種審議会、委員会などの会長、委員などを務めている。
主な著書に、『時空間の構図』、『プロジェクト発想法』、その他多数。現在は、慶應義塾大学名誉教授、新宿自治創造研究所所長。

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持ち時間 (2014/01/01)
2014/01/01
哲学者のカントが「時間を扱う学問が歴史で、空間を扱うのが地理だ」と論じたために、一般の人々の間に、歴史と地理に関してある種の固定観念ができあがってしまった。ところが、そんなことはないのであって、時間と空間は密接な関係にある。私は、かつてグリニッジ標準時がどのような経緯で制定されたのかを紹介する文章を書いたことがある。私の学問分野である地理学は、時間と空間(短くは「時空間」という)における人間活動のパタンや構造について関心を持ち研究している。

時間で思い出すことも多々あるが、学生時代に経済学の授業を受講した際に、担当の理論経済学者が紹介してくれたエピソードは今でもよく記憶している。アメリカの経済学会で、ある発表者が持ち時間を超過して発表を続けていた所、座長であるワシリー・レオンチェフ教授(産業連関論の開発により、ノーベル経済学賞を受賞)が次のように言ったそうである。
 ‘You have minus three minutes!’ (「3分の時間超過ですよ!」)
座長としては、発表者にその成果について少しでも多くの時間説明してもらいたい気持ちはあったが、円滑なプログラム進行のためには時間を厳守しなければいけない。「マイナス3分」の表現は、いかにも学者らしいソフトな表現であり、私が気に入っているセリフの一つである。ベルを鳴らして発表の終了を催促するよりも、スマートな言動である。

人生の持ち時間は、80年プラス、マイナス数年といったところだろうか。そのうち、三分の一は寝ている時間であり、残りの三分の二が起きて活動している時間である。95歳で亡くなるまで活躍された仏教学者の鈴木大拙が11時就寝、5時起床、そして昼寝1、2時間であったということを知って、寝ることに関してだけは私と同じだと思ったものである。

80歳を超えてもなお元気な方々は実に敬服に値するが、私には到底できそうにない。個人的には、私は70歳を人生の区切りと考えている。例えば海外旅行をするに際しても、体調不良になったら、重たい荷物を持って出掛けにくくなる。そこで、ここ10年ほどは国内外に関わらず、行き先をよく考えて、これまで行ったことのない都市や、気に入っている街などを優先的に出かけることにしている。
「70歳までは自分の希望することに挑戦し、その後は人生の付録と考える。
たとえ70歳と1日で人生を終えても構わない。」
と覚悟したのである。そして、旅行先、散歩コース、読書、各種観賞の対象分野なども、これまでに不案内な場所や分野を多くすることにした。

忙しい毎日を過ごし、時間を惜しむのが現役世代の特徴だとしたら、時間を惜しまずに何をやってもよいとするのが年配者の特権である。昔の人は、「不惜寸陰」(寸陰を惜しまず)と言った。すると、実に落ち着いた気分になれるから何とも不思議である。
(金安岩男 慶應義塾大学名誉教授)
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