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Men’s Life Style
金安 岩男

著者:金安 岩男
1947年2月に東京の下町に生まれる。
学部で経済学、大学院で地理学を学び、外資系情報企業、国立大学、私立大学での勤務経験を有し、研究、教育、研修などの各種プロジェクトを実施。地理学者として、計画実践、プロジェクト発想に取り組んでいる。海外諸都市の街歩き、相撲などを趣味に、発想のヒントをいつも探究中。社会的活動として、政府機関、地方自治体の各種審議会、委員会などの会長、委員などを務めている。
主な著書に、『時空間の構図』、『プロジェクト発想法』、その他多数。現在は、慶應義塾大学名誉教授、新宿自治創造研究所所長。

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子供の発想の豊かさに驚かされることは多い。こどもの発想を、私たち大人が役立てることはできないだろうか。

もう随分と昔のことになるが、近所に小学2年生くらいのヨッちゃんが住んでいた。ヨッちゃんは、ある日曜日の夕方、外出からの帰り道で、お父さんと手をつなぎスキップを踏みながら、何やら楽しげだった。

「ヨッちゃん、楽しそうだね。どこへ行ったの?」と私。ヨッちゃんの返答がふるっていた。「うん、楽しかったよ。今日は『おんまの運動会』に行ったの。フク面をかぶったのもいたよ。」

その時のお父さんの何とも言えない顔の表情が印象的だったが、子供の表現は何とすばらしいことか。言うまでもないことだが、「運動会」は、幼稚園や小中高の生徒たちが行うスポーツ競技や遊戯のことである。そして、お馬の競技は、「競馬」のことである。大人の表現には、馬と運動会の二つの言葉はなかなか結びつかないが、子供にとってはまことに自然な連結である。子供たちが、限られた数の言葉で表現しようとした結果として、「お馬の運動会」なるすばらしい表現が生まれたのだろう。大人ならば、数多くの言葉の中で、さまざまな組み合わせを考え、魅力的な言葉を紡ぎだす。

表現と言えば、丁度今宇宙を飛んでいる最中の宇宙飛行士油井亀美也さんが、地上の安倍晋三首相との交信で、開口一番発した言葉も面白かった。
「安倍総理、エー、高い所から失礼します。私、初めまして、・・・」

油井さんご自身も何とも言えない雰囲気ではあった。「高い所から失礼します」なる表現は、日本社会特有なのかどうかは知らないが、広めの会場で挨拶する際の常套句であり、ある秩序を反映している。「お電話で失礼します」という表現は昔からあったが、「Eメールで失礼します」とか、「ネットで失礼します」とかはあまり聞かない。環境が変わると使う言葉も変わるし、価値観も変わる。高い所である宇宙空間では別の秩序が働くから、油井さんの発言は、ご本人がいみじくも感じているように、何とも不思議な表現ということになる。

ヨッちゃんのその後の人生がどのようなものになったのかは、私には分からない。競馬ファンになっているかもしれないが、まさか、このコラム欄に登場し活用されているとは、夢にも思わないことだろう。私たちは、ある環境と別の異質な環境にある事柄の組み合わせによって、新たな価値を生み出すことを日常的に模索し、つくり出しつづけている。ビジネスも、日常生活も変わることはない。これが発想の原点なのである。
(金安岩男 慶應義塾大学名誉教授)
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